今月3日、2016年のノーベル生理学・医学賞が大隅良典さんへ贈られることが発表されました。授賞理由は「オートファジー」の仕組みを解明したことです。
このオートファジーとはどんなものでしょうか?オートファジーについてお話したいと思います。
オートファジーの前に、まずはタンパク質についてお話します。
タンパク質は三大栄養素の一つです。ちなみに他の三大栄養素は炭水化物と脂質です。
ヒトの体は約60%が水分ですが、水以外でみると50%以上がタンパク質になります(※)。つまり、タンパク質は体を作る栄養素ということですね。食べ物では肉や、魚、卵、牛乳、大豆などにたくさん含まれていています。
アミノ酸というのを聞いたことがありますか?うま味成分やサプリメントとかで耳にしたことがあると思います。タンパク質はこのアミノ酸がたくさん、たくさんつながってできたものです。
タンパク質が体の中にはいると胃や腸でバラバラに分解されてアミノ酸になります。この分解されてできたアミノ酸が腸から吸収されます。そして、吸収されたアミノ酸を材料にして、体の中で必要なタンパク質がつくられることになります。
私たちは一日あたり食事から約70gのタンパク質をとっています(※)。そして、体内では一日当たり160g-200gのタンパク質をつくっています(※)。
あれ?数字があわないですね。食事でとる量よりもつくっている量の方がおおいですね。どういうことでしょうか??
実は私たちの体の中では、つくられるタンパク質と同じぐらいのタンパク質が分解されているのです。分解されるのは古くなったタンパク質やうまく働かなくなったタンパク質です。このいらなくなったタンパク質を分解してでてきたアミノ酸を材料にして新しいタンパク質をつくっています。上手にリサイクルしているエコな仕組みです!
細胞一つ一つでリサイクルされていて、この仕組みの一つが「オートファジー」です。ようやく「オートファジー」が登場しました!
オートファジーは自食作用(じしょくさよう)ともいわれていて、自分自身(の不要なタンパク質)を食べるということです。細胞の中がゴミでいっぱいにならにように不要なタンパク質を日々分解することで健康な細胞が保たれています。
また、遭難するなど一時的に食事をとれず絶食状態になるとオートファジーは活発になります。食事から材料(アミノ酸)をとれなくなると、普段よりたくさん自分自身のタンパク質を分解することで、重要なタンパク質をつくる材料を確保します。生き延びるために必要性の低いタンパク質から分解していきます。
オートファジーは様々な病気にも関係していて、医療の分野で活発に研究されています。
オートファジーについてもっと詳しく知りたい方は以下のリンク先も読んでください。本稿も下記サイトを参考にさせていただきました。
http://www.cellcycle.m.u-tokyo.ac.jp/research/index.html
http://bsd.neuroinf.jp/wiki/オートファジー
※成人男子の数値です。年齢、性別よって異なります。